はじめに
感染症が流行する時期、保育園で避けられないのが
**「登園停止のお願い」**というデリケートな対応です。
- 「ちょっと鼻水だけだし、行ってもいいですよね?」
- 「病院では様子見って言われたんですけど…」
- 「仕事休めないので、なんとかお願いします!」
看護師として「それでも今日は登園を控えてほしい」と思うとき、
どう伝えれば保護者との信頼を損ねず、安心してもらえるのか?
今回はその“伝え方の工夫”と、“よくある場面別の対応例”をお伝えします。
看護師が伝えることの意味

保育士が「今日はちょっと…」と伝えるのとは違い、
看護師が「医学的視点で判断しています」と伝えることには重みがあります。
でも同時に、“専門家らしさ”が「冷たく聞こえる」こともあるため、
伝え方にはひと工夫が必要です。
基本の伝え方|3ステップ
① 子どもの様子の「事実」をやさしく伝える
「今日は鼻水の量が多くて、咳も少し強めに出ていました」
「お昼ご飯も残していて、少ししんどそうな表情が続いていました」
② 保護者の立場に“共感”を添える
「お仕事の都合などもあるかと思うのですが…」
「きっと登園させるかどうか迷われたと思うんです」
③ 園としての「対応方針」と理由をていねいに説明
「園としては、集団生活の感染拡大防止のためにも、今日はおうちで休んでいただけると助かります」
「他のお子さんでも同じような症状が見られているため、念のためお願いしています」
よくあるケース別・対応例
ケース①:「熱はないから行っていいですよね?」
→ 熱がなくても、元気がなく食事がとれていない/咳が強いなどの理由を具体的に伝える。
🗣 伝え方例:
「お熱はないんですが、午前中ほとんど活動に参加できていなくて…。感染症の初期症状かもしれないので、今日は様子を見ていただけると安心です。」
ケース②:「病院では登園していいって言われたんですけど?」
→ 医師の判断を尊重しつつ、園の集団対応としての基準があることを説明。
🗣 伝え方例:
「受診いただいてありがとうございます。園では、症状が強い場合や感染拡大のリスクが高い時期には、医師の指示があっても慎重に対応させていただいています。」
ケース③:「仕事がどうしても休めなくて…」
→ 責めない、押しつけない。“困っている気持ち”を先に受け止める。
🗣 伝え方例:
「本当にお忙しい中ご協力いただいてありがとうございます。〇〇くんの体調と他のお子さんへの影響を考えると、今日はお休みの方が安心かなと…。ご無理のない範囲でご判断いただけたらと思います。」
保育士・園との連携ポイント
- 「看護師が判断して伝えました」ではなく、担任との一体感を持って伝える
- 保育士には「こういう言い方だと伝わりやすかった」など、伝え方の共有も行う
- 園のルール(登園停止基準・対応マニュアル)を日頃から職員間で共有
まとめ|“断る”のではなく、“守るためにお願いする”という姿勢で
登園停止をお願いすることは、
保護者にとって負担になる選択肢を提示することでもあります。
だからこそ、
- できる限りの共感
- 困っている気持ちへの配慮
- 子どもと周囲への責任を丁寧に伝える
この3つを大切に、「信頼されることば」で届けるのが看護師の役目です。
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