〜“しゃべる”より前に、大切な関わり〜
目次
はじめに
保育園でよくある相談のひとつ。
- 「まだ単語が出てこない」
- 「呼んでも振り向かない」
- 「2語文がなかなか出ない」
- 「発語はあるけど、会話にならない」
こうした“ことばの遅れ”を感じたとき、
看護師として何ができるでしょうか?

今回は、「しゃべること」だけに注目せず、“ことばが生まれる土台”に目を向けるサポートの視点をお届けします。
“ことば”は発音ではなく、“コミュニケーションの力”
ことばが出るまでには、いくつかの土台が育っている必要があります。
見えている姿 | 背景にある力 |
---|---|
発語しない | 人とやりとりをしたい気持ちが育っていない? |
名前を呼んでも振り向かない | 聴覚処理/注意の向け方がうまくいかない? |
単語はあるけど使えない | 状況に合わせたことばの選びが難しい? |
おうむ返しばかりする | 意味の理解よりも音だけが残っている? |
📝看護師メモ
「言葉が出ない」=「発達が遅れている」とは限りません。
“ことばが出る前のサイン”に気づけるのが、日常にいる私たちの強みです。
看護師としてできるサポートのヒント
① 「目と耳」を引きつける環境をつくる
- 静かな場所で、視線を合わせて話しかける時間を確保
- 呼びかけに応じやすいように、名前を1秒置いてから話しかける
🗣「〇〇くん……おはよう!」(←ちょっと間をあけるだけでも違います)
② “ことばがなくても”やりとりできる経験を増やす
- 手遊び、絵カード、表情遊びなどで“会話の前の関係性”を育てる
- 指差しやうなずきなど、“非言語の反応”にも注目して「伝わったね」と伝える
③ “話すこと”を焦らず、“聞くこと”を育てる
- 「〜して!」ではなく、「〇〇するよ〜、見ててね」など、実況中継型の声かけを増やす
- 絵本やぬいぐるみなど、“ことばにしやすい場面”をつくる
保育士との連携で意識したいこと
- 「発語が少ないです」ではなく、
→ 「こちらの声かけに表情がしっかり返ってきていました」
→ 「“伝える力”が育っているように感じます」と前向きに共有 - 保育士が気づいた変化も記録してもらえるよう、「〇〇のとき、どんな反応ありましたか?」と質問型で引き出す
保護者への伝え方の工夫
- NG例:「ことばの発達に遅れがあるようです」
- OK例:「ことばとしてはまだ少ないですが、指差しや表情の反応でしっかりやりとりできています。ご家庭でも、最近変化はありましたか?」



→ “心配”より“変化”に注目した共有で、保護者も受け止めやすくなります
まとめ|ことばの“前”にあるたくさんのサインに寄り添う
しゃべらない=わからない、ではありません。
ことばが出る前から、
- 表情で
- 動きで
- 指差しで
- 視線で
子どもたちはたくさんのメッセージを送っています。



看護師として、
“伝わる”を支える視点を持ち、
その気づきを保育士や保護者と共有していくことが、子どもの「話したい」を育てる力になります。
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