【気になる子・発達支援シリーズ③】保育室を歩き回る子の見守り方

〜「止める」より、「理由に寄り添う」支援へ〜


はじめに

保育中、こんな場面に出会うことはありませんか?

このような“歩き回る行動”は、時に周囲の子や保育士の関わりにも影響を与えます。

でも看護師としてできるのは、「止める」ではなく「なぜそうなるのか?」を一緒に考えること。

今回は、歩き回る行動の背景と、園内でできる支援のヒントをご紹介します。


“歩き回る”には、理由がある


行動背景にあるかもしれないこと
同じところをぐるぐる歩く緊張や不安のセルフコントロールとしての反復行動
活動の途中で何度も離席する興味が持続しづらい/感覚的に集中が難しい
声かけで止まらない言葉の理解よりも、体が先に動いてしまうタイプかも
突然別の場所に行く環境の中の刺激に強く反応している(視覚・音など)

📝看護師メモ

歩き回ってしまう子に対しては、
「座らせる」ではなく、“安心して動かなくてもいい場”をつくることがカギです。


看護師としてできるサポートのヒント


① “安心できるスペース”を用意する

  • 活動から少し離れた場所に**視覚的な区切り(パーテーション・マットなど)**を設ける
  • ここに戻ってきたら大丈夫」という**“帰れる場所”の設定**

② 「歩くこと=悪いこと」という空気を和らげる

  • 「歩き回っちゃダメ!」ではなく、
    「体がムズムズしてるのかもね」「一回深呼吸しようか」など、動きの意味に共感する言葉

③ 「動いてOKな時間・タイミング」をあえてつくる

  • 活動の前後に**“ストレッチ”や“動ける活動”を入れる**
  • 動くことが悪いのではなく、**“切り替えるチャンス”**にしてあげる関わり方

保育士との連携で意識したいこと


  • 行動だけでなく、**“前後の環境・子どもの表情”**にも注目して伝える
    例:「活動が始まる前からそわそわしていたように見えました
  • 「こうした方がいい」ではなく、
    →「もし〇〇してみたら、落ち着いてたように感じました」と実例ベースで共有

保護者への伝え方の工夫


  • NG例:「ずっと歩き回っていて、活動に集中できていません」
  • OK例:「今日は体を動かす時間を少し取り入れたことで、活動に戻る様子が見られました。お家ではどうですか?」

“できなかったこと”ではなく、“こうすると落ち着いた”を伝える


まとめ|“動き”の奥には、その子なりの「調整の方法」がある

歩き回る子どもたちは、
実は心や体の中のざわつきを**「自分なりに整えようとしている」**のかもしれません。

看護師として、

そんな関わりが、
その子の“動かなくても安心できる時間”を少しずつ増やしてくれるはずです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA