はじめに
保育園に転職してしばらく経つと、ふと感じることがあります。
「看護師として、私はどこに立てばいいんだろう?」
「保育士と同じように動くの?それとも違う?」
「“医療者”としての線引きってどこにあるの?」
保育園看護師は、多くの場合ひとり職種で、立ち位置も業務範囲もあいまいになりがち。
今回は、“現場での立ち位置”に迷ったときに見直したい視点と、行動のヒントをお届けします。
看護師の立ち位置は「固定」ではなく「機能」で考える
保育園看護師に求められるのは、「ここにいればOK」という定位置ではなく、
“今、その場で何を担うか”という機能の柔軟さです。
シーン | 看護師の機能・役割 |
---|---|
保育中(全体活動) | ケガ・体調の変化の早期発見・補助職員の視点補完 |
午睡前後 | 呼吸の観察・寝入りの状態確認・微熱などの気づき |
降園前 | その日の不調整理・保護者への引き継ぎサポート |
保育士困りごと発生時 | 状況整理・緊急対応・感情の切り替え支援 |
📝看護師メモ
「どこに立つか」よりも、
**“今この場で、自分が補える視点はなにか”**を意識すると自然に役割が見えてきます。
よくある“立ち位置の迷い”とその解決ヒント
ケース①:「保育に入りすぎて、保育士と同じように感じてしまう」
💡ポイント:
→ “参加者”にならず、“観察者+支援者”として関わる意識を持つ
🗣 行動の工夫:
「先生たちの声かけで落ち着いてますね」など、保育を“評価・記録・支援”する目で見てみる
ケース②:「あまり保育に入らないと、浮いてる感じがする…」
💡ポイント:
→ かといって“見てるだけ”になってはNG。
→ 「声かけ」「ちょっとした関わり」で存在感を保つ
🗣 行動の工夫:
・転倒しやすい子をさりげなく見守る
・お茶タイムの水分量を見て声をかける
・保育士に「見守り交代しますよ」と声をかける
ケース③:「保育士と“上下関係”みたいになってないか不安」
💡ポイント:
→ 医療職としての専門性はあっても、あくまで“対等なパートナー”として接する姿勢が大切
🗣 言い回しの工夫:
「先生の気づきがとても参考になります」
「保育の視点ではどう見えますか?」など、**“リスペクトが伝わる声かけ”**を意識
看護師の存在感が生きる「目に見えにくい仕事」
保育園での看護師の仕事は、こんな“見えにくい価値”にこそ意味があります。
- 「微熱とぐったり」の違いを判断する
- 「トラブル前のサイン」に気づく
- 保育士が“見落としそうなリスク”をカバーする
- その子の“変化の傾向”を記録してチームに共有する
📝看護師メモ
これらはどれも、「その場に“ちゃんといる”人」だからこそできる大切な仕事。
自信を持って、**“静かに頼られる存在”**でいましょう。
まとめ|立ち位置に迷ったときは、「自分ができることリスト」を見直そう
保育園看護師にとって、
“決まった場所”はないからこそ、
自分の意識と思考で「立ち位置」はいくらでも調整できます。
- 今この場に必要な視点は?
- 保育士が忙しい今、自分にできるサポートは?
- この子の気になるサインを、どう伝えればいい?

その問いを繰り返すことで、
“ブレない立ち位置”が自然とできあがっていきます。
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